こんにちは。
台湾式足つぼ専門「フットセラピストアカデミー」の圓田です。
前回は、
同じ場所を押しているのに、なぜ上手い人とそうでない人がいるのか?
というお話をしました。
足の持ち方。
身体の位置。
肘の位置。
指の角度。
圧を入れる方向。
押す時間やリズム。
ほんの少し違うだけでも、相手が感じる刺激は変わります。
だから技術を教えていると、
「もう少し肘を下げてみてください」
「指の向きを少し変えてみましょう」
「今より身体を近づけてみてください」
というように、かなり細かく修正することがあります。
そこで私が、技術を教える時にとても大切だと思っているものがあります。
それが、
「素直さ」
です。
言うことを黙って聞く、という意味ではありません
ただ、ここでいう素直さは、
先生の言うことを何でも黙って聞くこと
ではありません。
私は、そこまで単純な意味で使っていません。
私が大切だと思っているのは、
一度、自分の中にある答えを横に置いて、まず受け取ってみること。
です。
技術を習っていると、
「私はこの方がやりやすい」
「前のスクールではこう習った」
「今までこのやり方でやってきた」
と思うこともあるでしょう。
もちろん、それまで積み重ねてきた経験は大切です。
ただ、新しい技術を学ぶ時に、自分の中にある答えを持ったまま、
「でも私はこう思います」
「この方がやりやすいです」
と最初から跳ね返してしまうと、新しいものがなかなか入ってきません。
やってみたからこそ、あとから意味が分かる
だから私は、
まず、そのままやってみる。
ということを大切にしています。
言われた通りに身体を動かしてみる。
今までとは違う角度で押してみる。
少し違和感があっても、一度その形でやってみる。
すると、
「あ、だからこの角度なのか」
「こっちの方が力を使わずに圧が入るんだ」
ということが、あとから分かることがあります。
最初からすべてを納得してから動く必要はありません。
やってみたからこそ、あとから意味が分かる。
技術には、そういうことがたくさんあります。
見て分かっても、やってみなければ伝わらない
私は比較的、人の動きを見るのが得意な方だと思います。
施術を見ていると、
頭の位置。
肩。
肘。
手首。
指の向き。
身体全体の使い方。
そういったものを一緒に見ています。
そして、
「この姿勢なら、たぶんこの方向に圧が入っているな」
と考えながら見ています。
だから、生徒さんの施術を見ている時も、
「今、圧が逃げているな」
「ここを少し変えればもっと入りやすくなるな」
ということが比較的早く分かります。
ただ、私がいくら分かっていても、本人が一度やってみなければ伝わりません。
だからこそ、
まず受け取って、試してみる。
この姿勢が、技術習得のスピードを大きく変えると思っています。
「誰かに教えるつもりで学ぶ」
そして、私自身も何かを勉強する時に、もう一つ大切にしていることがあります。
それは、
「誰かに教えるつもりで学ぶ」
ことです。
これは足療だけではありません。
英語を勉強する時も。
中国語を勉強する時も。
解剖生理学を勉強する時も。
本を読む時も。
私は頭の中に、いつも架空の相手を置いています。
そして、
「もし今学んだことを、この人に説明するならどう話すだろう?」
と考えます。
頭の中で黒板の前に立って説明しているような感覚です。
「この例えを使ったら分かりやすいな」
「自分のあの経験を使えば説明できそうだな」
「ここを聞かれたら、まだ答えられないな」
そんなことを考えながら勉強しています。
実際、人に説明しようとすると、
自分が分かったつもりになっているところ
がよく見えてきます。
読んだ時には、
「なるほど、分かった」
と思っていたことでも、誰かに説明しようとすると言葉が出てこない。
そんな時は、まだ本当には理解できていないということです。
これは技術も同じです。
先生の動きを見て、
「分かった」
と思う。
でも、
「なぜこの姿勢なんですか?」
「なぜこの角度なんですか?」
と聞かれた時に説明できない。
それなら、まだ理解の途中です。
だから私は、
学ぶ時から、アウトプットする自分を想像する。
ということをよくやっています。
私にとっての「素直さ」
そして、ここで最初の「素直さ」の話につながります。
私にとって素直さとは、何も考えずに従うことではありません。
一度受け取る。
まず試してみる。
そこから、なぜなのかを考える。
そして、自分の中で理解できるところまで深める。
そういう学び方です。
最初から自分の答えを守ることに一生懸命になるより、一度、新しいものをそのまま受け取ってみる。
その方が、結果的に自分の引き出しは増えていきます。
もし今、何かを勉強している方がいれば、今日から一つだけ試してみてください。
学んだことを、
「今から3分で誰かに説明するとしたら、どう話すだろう?」
と考えてみてください。
うまく説明できないところがあれば、そこが次に勉強するところです。
私は、技術を教える時に「素直さ」を大切にしています。
それは、
言うことを聞いてほしいからではありません。
できるだけ多くのことを受け取り、自分で理解し、最終的には自分の技術として使えるようになってほしいからです。
次回は、
「FTAのレッスンって、実際どんなふうに進むのか?」
について、もう少し具体的にお話ししてみようと思います。
圓田 尚
フットセラピストアカデミー代表
一般社団法人フットセラピスト協会 代表理事









